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第3話 目覚める刃 STAR DRIVER 輝きのタクト Early Days

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STAR DRIVER 輝きのタクト 二次創作

 以下の作品は、「STAR DRIVER 輝きのタクト」の二次創作作品です。公式作品とは一切関係ございませんので、その点をご承知置きの上、お読みいただければ幸いです。

STAR DRIVER 輝きのタクト Early Days 第3話 目覚める刃



-1-


「ダンッ!」
 柔らかい朝の空気がただようシンドウ家の道場に、激しい踏み込みの音が響く。シンドウ・スガタだ。

 スガタの朝は、登校前の鍛錬から始まる。
 シンドウ家はシンドウ流古武術宗家の家柄であり、その嫡子であるスガタも当然のこととして、シンドウ流古武術を修めることを期待されているからだ。スガタに手ほどきをするのは、シンドウ流古武術師範代であり、スガタメ・タイガーの父でもあるスガタメ・トラオだ。
 スガタメ家はシンドウ家の遠戚に当たり、シンドウ家、特に嫡子であるスガタに仕えることを定めとしている。このため、身辺警護の意味も含め、スガタメ家の人間がシンドウ流古武術を修めていることは必然なのだ。

「ありがとうございました」
 けいこを終え師範代に一礼すると、木刀を片づけ、スガタは浴室に向かった。けいこの汗を流して、登校の支度をするためだ。浴室にはジャガーとタイガーによって、着替えやもろもろの準備がされている。

 全ての支度を整え、朝食をとると、一足先に小学校へと向かった。
 ジャガーとタイガーも登校するのだが、二人はこれから登校の準備をする。

 スガタは古武術の鍛錬が特に好きというわけではない。毎朝鍛錬をしているのは、それがシンドウ家の嫡子としての務めだと考えているからだ。
 しかし、スガタは古武術が不得手というわけでもない。むしろその実力は折り紙つきで、既に師範代のトラオにも引けを取らない技量を身につけており、シンドウ家始まって以来の才能などと呼ぶ者もいるほどだ。だがその才能は、スガタにとって義務を果たす以上の意味を持ってはいなかった。

*****


「おはよう、スガタくん」
「おはよう、ワコ」
 通学路の途中で、別の道からやってきたワコと出会い、あいさつを交わす。朝からたくさんご飯を食べて来たのだろう。いつものように元気だ。
 そんなワコは、スガタにそっと近づいてくると、あたりをうかがい、声をひそめるように言った。
「スガタくん、今日、とっても大事な話がしたいんだけれど、放課後、時間だいじょうぶかな?」
 大事な話とは一体何だろう?放課後の予定は特にない。
「別に問題ないけれど、大事な話って何なんだ?いまここでは話せないことなのか?」
「いまはちょっと…まわりに人も多いし…だから放課後、いつもの場所に来てくれる?」
 少し不安そうにワコがスガタを見上げて来る。
「そうか。分かった」
 一体ワコは何を話したいのか。周りに人がいると話せないこと、いつもの場所で二人きり…まさか。

「そうだ、スガタくん。ケイトにも声をかけてあるから、二人で待っていてね!」
 …どうやらスガタの考えていた用件とは違うらしい。

*****


 浜辺にある小屋は、海水浴シーズンには監視員の待機所として利用されている。だが、シーズンを過ぎると利用する者はほとんどいなくなるため、ワコやスガタ、ケイトの秘密基地のような場所として使われていた。
 いまこの場所には、ワコと、彼女が呼び出したスガタとケイトがいる。

「ごめんね、二人とも。わざわざ来てもらってありがとう」
 ワコがスガタとケイトに語りかける。いつもの元気いっぱいの様子と違う。ワコはどこか神妙で、真面目な雰囲気をたたえている。
「他に人がいるところでは話せない話って、一体何なんだ?」
 ワコの持ついつもとは違う雰囲気に戸惑いながらも、スガタが話を促す。
「…うん。実は…そう、二人は夏祭りの歌声じまん大会の次の日のことを覚えているかな?わたしが岩場から落ちて、二人や、ジャガーとタイガーに助けられた、あの日のことを」
「もちろん覚えている。あの時は本当に焦ったからな」
「わたしも覚えているよ。そのあと、ワコは一人で走って帰ってしまった…翌日、元気で学校に来ていて、本当に安心したけれど」
 スガタとケイトが口々に答える。

「うん。あの時はごめんね。わたしも色々あって、混乱していたんだ。今日二人に話したいのは、そのときのこと。…その前に、二人に約束して欲しいんだけど、これからわたしが二人に話すことは、絶対に誰にも言わないで?おうちの人にも誰にも言っちゃダメ。…約束、してもらえるかな?」
 そう言って二人を見つめるワコのまなざしが持つ光は、おちゃらけた空気の無い、本当に真剣なものだ。スガタとケイトは、それぞれそのまなざしに何かを感じ取ったのか、ひとつうなずくと約束の言葉を告げた。
「分かった。これからワコの話すことは誰にも言わない」
「わたしも約束する。絶対に、誰にも言わないよ」
 そんな二人の真剣な約束の言葉を聞き、ワコはほっとしたように微笑んだ。
「ありがとう、ふたりとも。本当にありがとう」


 それからワコが二人に語ったのは、サイバディとゼロ時間、四方の巫女の物語だ。
 はじめはスガタもケイトも容易には信じられなかった。しかしワコが自分で体験し、その後に祖母のアゲハから聞いた話をする目の前のワコは今までに見たことがないほど真剣だった。そしてついにワコからシルシの光を見せられれば、その話を信じるしかなかった。
「にわかには信じられないが…しかし、目の前の現実は認めざるを得ないな」
「わたしの知っている常識が崩壊してしまいそう。自分はちっぽけな存在だって知っていたつもりだったけれど、それでもまだまだ足りなかったんだね」
 二人にはそんな言葉しかない。だが、ワコの話はそれで終わったわけではなかった。

「でも、ここからが本題なの。このことは、わたしだけの問題じゃないんだ。実はね、スガタくんも関係しているんだよ」
「…えっ?」
 ワコの言葉は意外なものだった。

 そこから語られたのは、シンドウ家が持つ王のシルシと、その強力な第一フェーズの力、そしてそれを使うことの危険性についてだった。これもやはり信じがたい話ではあったが、ワコがスガタのシルシを輝かせるという事実を見せつけられることで、やはり信じるしかなくなった。
 シンドウ家の歴史を振り返って見ると、確かに夭逝する当主が多かった気がする。これも王のシルシを使用したことによる副作用と考えれば、納得できないこともなかった。

「それに、シルシのことだけじゃなくて、サイバディを利用したい人たちがわたしたちを狙ってくることにも気をつけなくちゃならないんだ。だからスガタくんにも話したの」
「…本当は、ケイトには秘密にしておいた方が良かったのかもしれない。でも、いままでずっと一緒にいたから、力を狙う人たちに目をつけられているかもしれないし、やっぱりそれでも一緒にいたいと思うから、話しちゃった。巻き込んでごめんね」
 ワコはすまなそうにケイトに告げる。
「そんなことない。話してくれてありがとう、ワコちゃん。これからもずっと一緒だよ?」
 ケイトは、突然の話に混乱していることを自覚しながらも、ワコに誤解をして欲しくなくて、必死にそう答えた。
 スガタは、そんな二人の姿をじっと見つめ、何かを考えていた。



-2-


 翌朝。昨日のワコの衝撃の告白から一夜明け、スガタは日課である古武術の稽古を行っていた。

 あれからワコやケイトと別れ、一人家路についたスガタは、一晩ずっと、ワコの告げた事実について考察していた。

 スガタは不思議な力を持っているらしい。それを狙っている組織もある。しかし、本当に危険なのは、皆水の巫女であるというワコではないか?ワコたち四方の巫女が封印している限り、サイバディは南十字島の外に出ることはできない。ならばサイバディを欲しがる連中が最初に狙うのは、自分ではなくワコのはずだ。
 それに、ワコの話にも疑問がある。もしワコが封印の一柱を担う者だとするならば、ワコが南十字島を出たら、封印はどうなるのだろう?

 ワコはいずれ歌手になるために東京に行く。そのときに、封印は破られるのか、それとも東京に行っても機能し続けるのか、あるいは…。もしかすると、ワコはまだ何かを隠しているのかもしれない。

 そんなとりとめもない思考の末、ひとつだけ、スガタが決めたことがある。それを成すためには何が必要か。今朝はそれを確かめなくてはならない。

「師範代、お話があります」
 けいこを終え、トラオの前に正座したスガタは、そう話を切り出した。
「何でしょうか、スガタ様」
 トラオはスガタに対しては、いつも敬語を使う。

「自分にはどうしても守らなければならないものが出来ました。それは、今後、直接的な暴力の前にさらされる危険があります。確実に守り切るためには、自分は何を身につけなければならないでしょうか?」
 スガタの切実な問いかけだ。ワコたちを守るために自分に何ができるのか、あるいは何ができないのか。その境界線を知ることが、出来ないことをできるようにするための第一歩だと考えたのだ。
 トラオはスガタの真剣さを感じ取り、何をどのように伝えるのが最善なのかを考え、話し始めた。

「スガタ様はそのお若さにして、既にシンドウ流古武術免許皆伝の域に達しつつあります。その技術は同年代の方々だけでなく、木刀を持って立ち合えば、私をすら上回られるかも知れません」
「ですが、互いに素手であればどうでしょう?おそらくは、十中七八は私が勝つでしょう。それは、未だスガタ様が成長期にあり、スガタ様の拳蹴撃が私の急所に届かず、必殺の一撃と成り得ない可能性が高いからです。相手に中てる一撃が必殺ではない限り、体力の差が勝敗を分けるでしょう」
「この様な場合、常識的な師範であれば、勝てない敵とは戦うべきではないと教えることと思います。相手の強さを知った上で戦いを避けることは、恥ではありません。相手の強さを知ればこそ、より自らの強さを磨こうという気持ちになるからです。その上で挑戦し、勝利すれば良いのです。逆に、未熟なまま挑めば、それが最後ということにもなりかねません」
「しかし、スガタ様は必ず守らなければならない時があるとおっしゃいました。この様な場合には、勝てないと分かっている敵にも挑み、かつ、勝ちを奪い取らなければなりません。そのためには、どうすれば良いのか…」

 トラオはそういうと、再び言葉を選んだ。スガタはじっとその言葉の続きを待っている。
「まずは戦わなくて良い状況を作ること。これが肝要です。敵の気配を察する。囲まれる前に脱出する。自らの陣地に誘い込み、味方を恃む。そういった方法をまずは念頭に置くことです」
「もしそれが間に合わない敵ならば…スガタ様、武器をお持ちなさい。武器はリーチの差を埋める道具でもあります。中らなければ武器には何の意味もありませんが、中りさえすればそれは必殺の一撃になり得ます。そして、スガタ様には中てるための技術があります。身体的な差を縮めることができれば、スガタ様に勝てる人間はほとんどいないでしょう」
 トラオはそう告げると、沈痛な面持ちで押し黙った。
「武器を持つ…」
 スガタは、トラオの言葉をかみしめるようにつぶやいていた。

*****


「おはよう、ワコ」
 通学路の途中で、前を歩いていたワコにスガタは声をかけた。
「おはよう、スガタくん…」
 ワコは昨日の件を引きずっているのか、少し暗い表情をしている。

「ごめんね、昨日は急に変なことを言っちゃって。大丈夫だった?」
「ワコが謝ることなんて何もない。教えてくれてありがとう。だから、いつもみたいに、バカみたいに元気でいてくれよ。そうじゃないと、こっちの調子が来るって仕方がない」
 スガタがいつもは言わない様な冗談を言って、ワコを和ませようとする。

「…もう!スガタくん!わたしがいつバカみたいにしてたって言うの!」
 ワコはそういうと、スガタにじゃれつくように殴りかかっていく。
「いや、すまない。そんなつもりはなかったんだ」
 そうスガタが謝ると、二人は学校へ向かって歩き出した。そして、ついでの様にスガタが言う。
「そうだ。今日からは一緒に帰ろう。どうせ、大体いつも遊んでいるんだし、その方が都合がいいよな?」
 ワコは一瞬押し黙ると、元気いっぱいの笑顔で言った。
「そうだね。一緒に帰ろう!」

*****


 昼休み。階段の前を通りかかったスガタは、階段を下りて来るケイトを見た。
「ケイト!」
 ケイトは、スガタの声に気付き、こちらに駆け出してくる。しかし、足がもつれたのか、階段を踏み外してしまった。ケイトが階段から落ちて来る。
「ケイトっ!」
 あわてて階段に飛び込んだスガタは、何とかケイトを受け止めることに成功した。しかし、態勢が悪く、スガタも廊下に倒れてしまう。スガタのポケットから、何かが転がり落ちた。

「スガタくん、助けてくれてありがとう。何か落ちたよ?」
 それに気づいたケイトが、落ちたものを拾う。それは、何の装飾もない、無骨な懐刀と呼んだ方が良い様なナイフだった。
「ああ、ありがとう」
 スガタはそれを奪い取るようにポケットにしまった。
「…スガタくん、それは何?」
 ケイトが遠慮しながらも、スガタに尋ねる。スガタは迷った末、言った。
「…ワコを守るために必要なんだ」
 それが答えだった。

<了>





第1話 そして物語は始まる

第2話 夢、絶望、それでも信じられるもの

第4話 解けるしがらみ、絡むしがらみにつづく>

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