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第9話 新しい季節に STAR DRIVER 輝きのタクト Early Days

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STAR DRIVER 輝きのタクト 二次創作

 以下の作品は、「STAR DRIVER 輝きのタクト」の二次創作作品です。公式作品とは一切関係ございませんので、その点をご承知置きの上、お読みいただければ幸いです。

STAR DRIVER 輝きのタクト Early Days 第9話 新しい季節に



-1-


「なんぴとたりとも、オレの前は走らせねえぜ!うぉ~りゃー!」
 ゴウダ・テツヤが、スピードキッド号と名付けた自転車で坂道を駆け登っていく。
「テツヤー!あんた、なにひとりで突っ走ってんのよ!待ちなさい!ほら、ジョージも行くわよ!」
 そう言って振り向いたシナダ・ベニオが見たのは、蝶を追いかけて拳で撃ち落そうとしている、ホンダ・ジョージの姿だった。
「…あんたもあんたで、なにやってんの?」
 ベニオは呆れたような目でジョージを見る。
「ヘッ。オレの拳で捉えられない敵はいないのさ!」
 そう言って決めポーズをとるジョージに、ベニオは無言で鉄槌を下した。
「…いってぇ。なにいきなり殴ってんだよ!」
「なんかムカついたの!文句ある?なければさっさとテツヤを追いかけるわよ!」
 そう言うとベニオは、自分も自転車に乗り坂道を駆け登りはじめた。
「チッ、しょうがねえなぁ」
 ジョージはそんなベニオの後をついて行く。


 南十字島は、東京から南南西約千キロにある有人の火山島だ。植生は亜熱帯の地域に近く、穏やかで暖かい海流がもたらす絶好のダイビングスポットや、火山性の温泉などもあるため、天国に一番近い島などとも呼ばれる観光地である。
 ベニオ、ジョージ、テツヤの3人は、そんな南十字島で生まれ育った小学6年生だ。


 夏休みも終わりに近づいて来たある日、3人は島の頂上近くから広がる森へやって来ていた。夏休みの宿題のひとつである自由研究、そのテーマとして選んだ昆虫採集を行うためだ。
「あんたひとりで突っ走ってんじゃないわよ!」
 頂上にいるテツヤに追い付いたベニオは、テツヤにも鉄拳を下した。
「いってえな。なにいきなりぶん殴ってんだよ!」
 テツヤはベニオに抗議するが、ベニオは意にも介さない。
「あんた、わたしに文句があるっていうの?」
「…いや、ないです…」
「それならよろしい」
 ベニオはそう言うと、にっこりとほほ笑んだ。殴られたテツヤも、後から追い付いたジョージも、その笑顔にみとれてしまう。

「さて、ちゃっちゃと宿題を片付けちゃうよ。これから3人で手分けして昆虫を捕まえる。一番たくさん捕まえたヤツの勝ちね。ただし、普通の昆虫は除外します」
「普通の昆虫ってなんだよ」
 テツヤがベニオに問う。
「普通のは普通のよ。麓でも捕まえられそうな虫はダメ。珍しい虫の得点が高いの!」
「珍しいかどうかは誰が決めるのさ?」
 今度はジョージがベニオに問う。
「もちろんわたしに決まっているでしょ!なんか文句ある?」
「いいえー、ありませーん」
 テツヤとジョージが声をそろえて答えた。
「ならよし。じゃあ、早速開始するよ。3時間後に麓の公園に集合ね。それじゃ、解散!」

 そう言うとベニオはいち早く森の中へと突撃していった。ジョージとテツヤも互いに見やり、ひとつうなずくと、それぞれ別の方向へと散って行った。


 ベニオとテツヤ、ジョージの3人の関係は、生まれた頃にまで遡れる。シナダ家、ゴウダ家、ホンダ家は、血のつながりこそないものの、ほとんど親戚の様な家ぐるみの付き合いをしており、その家の子である彼らは、本当に乳飲み子の頃から一緒に育ってきた。
 この3家が深いつながりを持っているのには、それなりの理由がある。元々、彼らの家は、サイバディの搭乗資格を示すシルシを受け継ぐ家柄であった。それが、なにを理由にそうなったのかは今日まで伝えられてはいないが、各家にシルシを受け継ぐものがいなくなってしまった。

 シルシを受け継ぐ家のほとんどは秘密結社に参加し、島の地下に眠る遺跡を密かに守護して暮らしている。彼らの家もその使命を受け継いでいたが、シルシを失くした頃からその影響力は低下していった。その低下を補うために彼らは連合し、数を恃んで影響力を保持しているのである。
 もっとも彼ら子どもたちは、そんな事情を未だ知らない。


「…チッ、今日の勝者はジョージね。チッ!」
「そんなに不満そうに言わなくてもいいだろうが…」
 日本最大級の蝶、オオゴマダラを見事に捕獲したジョージが本日の昆虫採集の勝者となったのだが、ベニオは自分が勝てなかったことが悔しいらしく、舌打ちを繰り返している。だがそれでも、事実をゆがめて自分の勝ちにしたりはしない。そういった公正な精神に、ジョージやテツヤがベニオに従っている理由のひとつがあるのだろう。
「じゃあ、明日は今日の成果をまとめるから。ジョージの家に10時に集合ね!」
「なんでオレんちなんだよ?」
「あんたが勝者だからよ!なんか文句あるの?」
「いいえ、ありませーん」
「よろしい。それでは今日は解散!」
 そして3人はそれぞれの家路へとついた。

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-2-


 夏休みも終わり、二学期の初日を迎えた。
 初日からあいにくの雨で、新学期向けの大荷物を抱えながら、苦労して傘をさしている児童たちの姿が多く見受けられる。
 ベニオ、テツヤ、ジョージの3人組も、苦労して仕上げた昆虫採集の標本を手にして、校舎の入口付近に集まっている。担任が教室にやって来るまでの間、3人でどうでもよい話をして過ごすためだった。

 そんな3人が集まっている場所に、ひとりの少年が向かってきた。
 荷物を抱えながら傘をさしているため、前がよく見えていないようだ。3人がいるのに気付かず、どんどん近付いて来る。一方で、3人も話に夢中になっているため、少年が近づいてきているのに気付いている様子はない。

ドーン!ガシャガシャ!

 ついに、近づいて来た少年は立ち話をしていた3人に衝突してしまった。その衝撃で、少年の抱えていた荷物があたりに散らばる。ジョージの抱えていた昆虫標本も、あたりに散らばってしまった。3人の苦労の結晶も、水の泡となる。


「てめぇ、なにしやがるんだ!」
 ジョージが少年の胸ぐらをつかみ上げる。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
 少年は突然の出来事におびえ、ただ謝罪の言葉を繰り返すことしかできない。
「ごめんですんだら警察はいらねぇんだよ!この散らばったもん、どうしてくれるんだ!」
 少年はガタガタ震えるだけだ。
 現在は始業前の職員会議中で、あたりに教師はいない。いるのは登校中の児童たちだけなのだが、自ら進んでトラブルに関わろうとする者はいなかった。

 おびえる少年は、まだ3年生くらいなのだろう。6年生とは体の大きさも違う。きっかけは少年の不注意にあったかもしれないが、いまとなっては単なる弱い者いじめにしか見えない。ベニオが自失から立ち直り、制止の声を賭けようと思ったとき、彼女よりも先に声を上げた少女がいた。
「もうやめてあげて!」
 その少女は、後ろに別の少女と少年を伴っている。声を上げたのはアゲマキ・ワコ、後ろにいるのはニチ・ケイトとシンドウ・スガタだった。

「あぁん、てめえは誰だよ?コイツの知り合いか?もともとコイツがぶつかって来て、このありさまになっちまったんだよ!てめえは引っ込んでろ!」
 ジョージがいさめて来たワコにからむ。
「引っ込んでられないよ!もともとは分からないけれど、その子はおびえているじゃない。小さい子をいじめるなんて、6年生のすることじゃないわ!」
「うるせえ、おまえもやられてえのか!」
 ジョージがワコに殴りかかって来る様子を見せたとき、ワコの後ろに控えていたスガタがワコの前に出て来た。
「ワコに手を出すなら、僕が相手になろう」
「女の前だからって格好つけやがって。生意気だぜ!」
「ジョージ、待て!」
 ベニオが止める声も聞かず、ジョージが少年をつかみ上げていた手を離し、自分の顔の前で両手を構えると、そのままスガタに向かってステップを踏み渾身の右ストレートを放った。

 当たる!誰もがそう思った一撃を、スガタは右に体を開いていなし、そのままジョージの首筋に手刀を放つ。まともに頭を揺らされて、ジョージが崩れ落ちた。
「ジョージ!」
 ベニオとテツヤの声が響いた。


「…いきなり殴りかかったジョージも短気だが、このまま年下にやられて見過ごしたら、うちらのメンツが立たねえ。悪いが少し痛い目を見てもらうよ」
 ベニオはそういうと、荷物を地面に置き、手に持っていた傘を正眼に構える。その傘を大上段に構え直したかと思うと、素早いすり足でスガタとの間合いを一気に詰めた。そして一気に振り下ろす。

 しかし、スガタの動きはもっと速かった。
 ベニオが間合いを詰め終わる前、傘を振り下ろす寸前に逆に間合いを詰め、刀でいう柄頭、傘の柄に下から掌底をたたき込み、振り下ろされる傘を弾き飛ばす。そしてガラ空きとなったベニオの額に、強烈なデコピンをかました。
「いたぁ!」
 そのデコピンのあまりの衝撃に、ベニオは尻もちをついてしまった。
「ベニオ!」
 テツヤがベニオに駆け寄り、スガタをにらみつける。そしてスガタにつかみかかろうとしたとき、職員会議を終えて教室へ向かおうとしていた教師が通りかかった。
「そこ、なにをしとる!」
「やべぇ、逃げるぞ!」
 テツヤは、ベニオにそう言い、ジョージを引き起こして立たせると、3人で教室へと逃げて行った。

「おまえら、なにをやっていたんだ」
 教師が残っていたスガタたちに問いかける。
「いえ、大したことではありません。ちょっとぶつかって、荷物が散らばってしまっただけです」
「そうか、お前らも早く教室へ入れよ」
 そういうと教師は自分の担任する教室へと向かって行った。

*****


「チクショウ!この借りはいずれ返してやる!あとで痛い目をみせてやるからな!」
 スガタに一撃で沈められたジョージが、教室で吠えた。
「もういい加減にしておきな。もともと短気なあんたが悪いんだろう?」
 ベニオはそう言ってジョージをいさめた。

「でもよ、ベニオだってアイツにやられていたじゃないか。やり返さなくていいのかよ」
 テツヤがベニオにそう言い返す。すぐにはその問いかけにベニオは答えない。

 ベニオは知っている。あの少年、シンドウ・スガタがシンドウ流の使い手で、かなりの実力者として剣道をやる人間の間では名前が知られていることを。しかし、だからと言って、年下にやられたまま引き下がることはあり得ない。
「…もちろん、やられっぱなしじゃ置かないよ。でもそれは、闇討ちとか卑怯なやり方じゃない。正々堂々、実力で、きっちり借りは返してやるよ」
 そういうベニオの表情は、どこか楽しそうでもあった。

<了>

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第1話 そして物語は始まる

第2話 夢、絶望、それでも信じられるもの

第3話 目覚める刃

第4話 解けるしがらみ、絡むしがらみ

第5話 離陸前夜

第6話 雪山のきずな

第7話 論理を拒む奇妙な闇

第8話 南南西に進路をとれ

第10話 貴方のために流す涙につづく>

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